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コンテンツSEOで成果を上げるために必要な期間とは?

作成者: 奥川駿平|Sep 19, 2023 1:13:18 AM

Content Marketing Instituteの調査で、BtoB企業の73%がコンテンツマーケティング戦略に取り組んでいると判明。コンテンツSEOに取り組めば、潜在顧客との接点を構築し、徐々に信頼関係を構築して、リード化へとつなげられます。しかし、これからコンテンツSEOに取り組む方、あるいはすでに取り組んでいる方が疑問に思うのが「コンテンツSEOで成果を出すために必要な期間」ではないでしょうか。

上層部の理解や予算を得るためには、成果を出すまでのある程度の目安を付ける必要があります。そこで本記事では、コンテンツSEOで成果を上げるために必要な期間や自社に必要な期間を判断するポイントをご紹介します。

BtoBがコンテンツSEOで成果を上げるのに必要な期間は6~12か月

結論から申し上げると、BtoB企業がコンテンツSEOで成果を出すためには6~12か月はかかると見込んでおくべきです。世界的なSEOツールを提供するahrefsが4,300名を対象にした調査では、3~6か月との回答が最も多かったですが、これは個人やBtoCも対象にした調査である点には注意が必要です。

Wacul株式会社がSaaSを扱うB2B企業を対象にしたサイト分析の結果、コンテンツ本数が増加するにつれ訪問数も増加し、それに伴いCV数も増加すると判明。下記グラフをご覧ください。

 

出典:WACUL株式会社

 

これは情報ノウハウ提供型におけるコンテンツ本数と訪問数の関係を示したグラフです。このグラフを見ると、コンテンツ本数が60本、100本を境目に訪問数が加速化するとわかります。月に5本のコンテンツを作成すると仮定した場合、少なくとも目に見える成果が表れるまでには12か月はかかるでしょう。

筆者は2015年よりライターとして活動しており、多くのBtoB企業のオウンドメディアの立ち上げを支援してきましたが、取り組みから1年後くらいに流入数とCV数が徐々に増える印象です。ただし、これはあくまでも目安であり、企業によって成果創出までに必要な期間は異なります。

コンテンツSEOの成果に影響を与える要素

自社に必要な期間を見極めるため、コンテンツSEOの成果に影響を与える主な要素を見ていきましょう。

ウェブサイトの歴史

新たなドメインのウェブサイトは、権威性が低く、被リンク数も少ない傾向にあるため、成果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。早くとも12か月はかかるとの認識でSEOに取り組むべきでしょう。一方、権威や被リンクを獲得しているドメインの場合は、6か月頃から成果が出始めるかもしれません。

競合状況

SEOは、競合とGoogle検索結果画面の上位を取り合う競争ともいえます。当然ながら自社が取り組む分野の競争率が低い場合は、比較的早めに結果を出せる可能性があります。一方、競争の激しい分野ならば12か月以上はかかるかもしれません。

まずは自社が取り組む分野のキーワードで検索をしてみましょう。上位に競合他社のウェブサイトが表示される、かつ、競合サイトのドメインオーソリティーが高い場合、長期的な視点でのSEOの取り組みが必要です。場合によっては、SEO以外の施策に取り組んだほうが賢明なケースもあります。

自社リソース

WACUL株式会社の調査が示すように、コンテンツ本数が増えれば、訪問数やCV数が伸びます。つまり、月当たりに作成できるコンテンツ本数が多ければ、それだけ早く成果を出せるというわけです。しかし、質の低いコンテンツばかり作成しても、成果は出ません。

大切なのは、ターゲットにとって有益な情報を含む質の高いコンテンツを量産すること。それができれば、6か月以内で成果を出せる可能性はあります。一方、定期的にコンテンツ作成できる体制がなければ、成果が出るまでに12か月以上かかるかもしれません。

長期的にコンテンツSEOに取り組むポイント

ここまでをまとめると、コンテンツSEOは中長期的視点で取り組むことで成果が出る施策とわかりました。それでは、どうすれば中長期的にコンテンツSEOに取り組めるのでしょうか。筆者が関わってきた企業の中で、SEOで成果を出せている企業には下記の共通点があります。

  • 適切なKPI設定
  • 戦略立案
  • 外部ライターの起用

ここからは、各ポイントの詳細を見ていきましょう。

適切なKPI設定

フェーズに応じたKPI設定ができなければ、コンテンツSEOを挫折するリスクが高まります。たとえば、オウンドメディアの運用初期段階でCV数をKPIに設定しても、達成は極めて困難でしょう。結果的に、社内の理解を得られずにSEO失敗となってしまいます。訪問数が少ない段階では、コンテンツ本数をKPIにするとよいでしょう。

実際に筆者が立ち上げ初期から関わっているプロジェクトでは、初めの1年半ほどは月の公開本数をメインKPIに設定されていました。流入数が増加するにつれ、ユーザーの行動データが蓄積されます。新規記事数を増やしながら、データ分析に基づいて記事のリライトをすることで、効果的にCV数を増やせていました。社内の理解を得て、継続的に取り組むためにも、適切なKPIを設定しましょう。

戦略立案

戦略的にSEOに取り組めば、成果までの期間を短縮できます。たとえば、月間検索ボリューム1万以上のキーワードは競争が激しいため、数か月で結果を出すのは困難です。BtoBの場合は、その専門性の高さから、検索ボリュームの低いニッチなスモールキーワードを中心に取り組むとよいでしょう。

スモールキーワードは競争率が低いだけではなく、優良なリードを集客できるメリットがあります。まずはニッチな分野から取り組み、流入数の増加や権威性の向上、被リンク数を増やしてからミドル・ビッグキーワードに取り組んでみてはいかがでしょうか。

外部ライターの起用

継続的に質の高いコンテンツ制作できるリソースがない場合、外部ライターの起用を検討してみてはいかがでしょうか。専門性の高いライターを起用すれば、マーケティング担当者の業務負担を減らしながら、継続的にコンテンツ制作ができます。しかし、BtoBの場合は専門性の高いコンテンツが求められるため注意が必要です。

FT Longitudeの調査によれば、意思決定者の約62%が「質の高いソートリーダーシップ型コンテンツ(専門的な視点から解決策を提供するコンテンツ)を制作している企業との商談を希望する」と回答。そのうち10人に8人は「詳細なレポートをダウンロードするために喜んで連絡先を提供する」と回答していることからも、質の高いコンテンツはCV数や商談化率を高めるといえます。

高いリサーチ力で適切なデータを用いながら、論理的で説得力のある文章を制作できるライターを起用しましょう。

まとめ

データからコンテンツ本数と訪問数・CV数は相関関係にあることが判明しています。BtoB企業は継続してコンテンツ制作に取り組めば、6~12か月程度で成果を出せるでしょう。ただし、単にコンテンツ本数を増やすだけでは効果は出ません。大切なことは、ターゲットにとって有益な情報を提供すること。それを実現するためにも、まずは適切なKPI設定や戦略の策定、コンテンツ制作体制の構築をしましょう。

「とはいっても、自社リソースが少ない」「SEOやライティングのノウハウがない」とお悩みの場合は、お気軽に下記よりご連絡ください。私はBtoB専門ライターとして5年以上の経験があり、これまで数多くのBtoB企業のコンテンツ制作を支援しております。