導入文が読了率や離脱率を決めるといっても過言ではありません。ニールセン社の調査によれば、ユーザーはWebサイト訪問から最初の10秒間で離脱するのか、それとも滞在するのか決めるとのこと。つまり、訪問ユーザーが初めに目にする導入文で「読む価値」があることを伝えれば、読み進めてくれる確率は高まるのです。
しかし、導入文の重要性が分かっていても、「どうすれば良い導入文を書けるのか」と悩む担当者の方も多いでしょう。そこで本記事では、ライター歴7年の筆者が実際に使う読まれる導入文パターンをご紹介します。導入文の作成で悩まれた際は、これからご紹介するパターンを単独で使用もしくは組み合わせてみてください。
あなたがどれだけの時間をかけて記事を制作したのか、あなたが素晴らしいアイデアを持っているのかなどユーザーは気にしません。ユーザーが気にするのは、記事を読むことで求める価値(=課題や悩みの解決策)を得られるかどうかです。だからこそ、導入文でユーザーにとっての価値があることを伝えましょう。
上記文においては、「効果的に分析できるフレームワークの紹介」と「3分で理解できる」というベネフィットがあります。ユーザーにとっての価値やベネフィットを理解するためにも、ユーザーインタビューやオンラインでの顧客の声の収集、競合サイトの分析などをしましょう。
2.自身のストーリーを伝える
マーケティング担当者に強くおすすめしたいのが、自身のストーリーを交えながら、ターゲットユーザーの課題に共感することです。例えば、「Googleアナリティクス4の設定方法」をテーマに記事を作成する場合、次の導入文が考えられます。
自身のストーリーを交えれば、ユーザーの共感と信頼を獲得できます。ただし、このパターンを使用するためには、当然ながら経験やノウハウが必要。私の場合は、クライアントの課題を反映させたり、「弊社のお客様の中には~と悩む方も少なくありません」のようにエンドクライアントの声を反映させたりします。
ユーザーの課題に関連する調査結果や事実などのファクトを提示するパターンです。BtoBコンテンツにおいては、信頼性や説得力を高められるという点で、このパターンは重宝します。例えば、ウェブ記事の見出しをテーマにした記事だと、下記の導入文が考えられます。
BtoBのコンテンツマーケティングにおいては、いかにファクトベースの記事を制作できるかが重要です。「これは本当にそうなのか?」「使えそうな調査結果はないだろうか?」の視点で記事制作をするとよいでしょう。
ファクトベースの導入文を作成するには、定期的なインプットが欠かせません。私の場合、下記画像のようにnotionに使えそうな結果やレポートをタグとともにまとめています。まずは全体を執筆し、notionに蓄積したデータを見ながら、使えそうなものは積極的に引用し、記事の説得力を高めています。
SEO記事は情報の網羅性を高めるのが基本なため、ターゲットユーザー全般を狙った当たり障りのない導入文がよく見られます。しかし、SEOで上位表示できたとしても、どれだけ多くの流入を得られたとしても、コンバージョンにつながらなければ意味はないのではと考え、最近はペルソナを特定した導入文の制作にも取り組んでいます。
ペルソナとは、一人の具体的な人物をイメージできるまで具体性を高めた顧客像のこと。ターゲットが「東京都在住30歳男性。SaaS系企業所属」のようにデモグラフィックを中心にしているのに対し、ペルソナは「田中一郎。30歳。東京都にあるSaaS系企業のマーケティング部に所属。Web広告を運用しており、ある程度の集客はできているが、コンバージョン率が低いのが悩み」のようにデモグラフィックとサイコグラフィックで構成されます。
導入文でペルソナを特定すれば、確度の高いユーザーに「これは自分に向けての記事だ」と思ってもらえ、読み進めてもらえるでしょう。例えば、「本記事では読まれる導入文の作成ポイントを解説します」よりも「本記事では、BtoB企業のマーケ担当者に向けて」にした方がペルソナに刺さるのではないでしょうか。また、「Web広告で集客できているけど、コンバージョンにつながっていないとお悩みではないでしょうか」のようにペルソナの悩みや課題を具体的に指摘するのも有効。
顧客単価の高いBtoB商材においては、幅広い層を狙うよりも、特定のターゲットに絞り込み、着実にコンバージョン数を伸ばすのも効果的でしょう。
ビジネス系書籍や海外の記事でよく見られるのが、著名人の言葉を引用し、権威性や説得力を高める手法です。下記2つの文を比較してみてください。
マーク・トウェインの言葉を引用したバージョンのほうが、興味関心を高められるのではないでしょうか。さらに説得力を高めるために、研究結果を追加するのも有効です。
「何を言うのか」と同じくらい「誰が言うのか」が重要視されます。まだ自社に権威性がない場合は、偉人や著名人から権威を借りるとよいでしょう。